被害届を出した後でも告訴状は提出できる?警察実務と告訴の効果

1・結論→被害届提出後でも告訴状は「提出可能」、かつ有効な場合があります

「すでに被害届を出しているのですが、告訴状を追加で提出することはできますか?」

この質問に対する答えは、「はい、可能です」

刑事訴訟法、犯罪捜査規範、警察庁や各都道府県警の通達等を確認しても、

被害届を受理している事件について、告訴状を受理しなくてよい

とする規定は存在しません。

つまり、被害届を出したから告訴状は出せない、あるいは意味がないという説明には、法的根拠がないのが実情です。


2・被害届と告訴状の違いと実務で決定的に違うポイント

被害届と告訴状は、似ているようで法的な重みが大きく異なります

(1)被害届

  • 被害事実を警察に申告するもの
  • 捜査や送致は警察の判断
  • 検察庁への送致義務はない

(2)告訴状

  • 犯罪事実を特定し、処罰を求める意思表示
  • 適法に受理された場合→ 警察には必ず検察庁へ送致する義務が生じる

この違いにより、被害届では止まっていた事件が、告訴状で動き出すケースがあります。


3・被害届を出しても事件が進まない理由

被害届を出したからといって、必ず検察庁まで事件が進むとは限りません。

警察実務では、次のような事情がある場合、送致されないまま終了することがあります。

  • 被疑者が犯行を否認している
  • 証拠が不十分と判断された
  • 民事トラブルと評価されやすい
  • 捜査しても立件が難しいと判断された

この場合、警察の裁量で「不送致」となる可能性があります。


4・告訴状を追加提出することで何が変わるのか

被害届提出後に告訴状を出す最大のメリットは、

事件を必ず検察庁に送致する手続に乗せられること

です。

告訴状が受理されると、警察は

  • 捜査を継続
  • 捜査結果を整理
  • 必ず検察官へ送致

する義務を負います。

「警察段階で終わってしまう」という不安を解消する手段として、告訴状は有効です。


5・被害届後に告訴状提出を検討すべきサイン

次のような状況が続いている場合、告訴状の提出を検討する価値があります。

  • 被害届提出後、長期間進展がない
  • 被疑者が特定されているのに送致されない
  • 捜査が事実上止まっているように感じる

特に、「このまま何も起きず終わるのではないか」と不安を感じている場合は、一度立ち止まって手続を見直すことが重要です。


6・「告訴状を出しても意味がない」と言われた場合

警察官から
「もう被害届を受理しているから、告訴状を出しても同じ」
と言われることもあります。

しかし、

  • 被害届:送致義務なし
  • 告訴状:送致義務あり

という法的効果の違いは明確です。

感情的に争う必要はありませんが、「検察庁への送致を希望している」という意思を正式に示す手段として、告訴状には意味があります。


7・告訴状は「書き方」で結果が変わる

告訴状は、単に提出すればよい書類ではありません。

  • 犯罪事実の特定
  • 時系列の整理
  • 証拠との結び付け

これらが不十分だと、受理されない、または形式的な扱いで終わる可能性があります。


8・元刑事の行政書士に相談するという選択肢

告訴状は、行政書士が作成をサポートできる数少ない刑事手続書類の一つです。

特に、

  • 被害届は出したが先に進まない
  • 自分で書くのは不安
  • 警察にどう説明すべきか分からない

このような方は、告訴状作成の実務に詳しい行政書士へ相談することで、状況が整理されるケースが多くあります。

元刑事としての捜査実務の視点と、行政書士としての書類作成経験を踏まえ、「警察にどう伝わるか」を意識した告訴状作成が重要です。


9・まとめ→被害届で止まっているなら、早めの相談が重要です

  • 被害届提出後でも告訴状は提出可能
  • 告訴状が受理されれば、事件は必ず検察庁へ送致される
  • 書き方次第で結果が変わる手続である

「このまま何も起きないのでは」と感じたときこそ、一度、告訴状という選択肢を検討してみてください。

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