警察時代の話【1】
業務妨害について
業務妨害といっても、威力業務妨害と偽計業務妨害とあります。
簡単に説明すると
威力業務妨害
威力を示して業務を妨害。
例えば、暴言やその場で暴れたりして、店の業務を妨害する等です。
偽計業務妨害
偽計を用いて業務を妨害。
例えば、虚偽の風説を流布したり、いたずら電話を何度も掛けて業務を妨害する等です。
刑事になりたての頃、ある日の宿直勤務中に係長と雑談していました。
その係長は、私に
「警察に対して威力業務妨害ってないんだよ。」
と言ってきました。
私が、その理由を聞くと
「警察が威力なんかに屈するな。俺は絶対に威力業務妨害では事件化しない。」
と言っていました。
確かに、一般市民を犯罪から守り、悪者を取締る側の警察が威力には屈してはいけないと変に納得しました。
実際には、警察に対しても威力業務妨害は成立するので注意して下さい。
余談ですが、交番勤務の時に酔っ払いに叩かれたりしたこもありましたが、そんな時に該当する罪名は、公務執行妨害になります。
「公務執行妨害は恥だから、公妨はもらうな。」と教えられたので、ある程度の叩かれたり、掴まれたり程度では、事件化はしませんでした。
私は、柔道やブラジリアン柔術等の経験があるので大丈夫でしたが、実際には、警察官の制服を少し掴んだり、小突いたりするのも厳密にいえば公務執行妨害になってしまいます。
公務執行妨害は、基本的にその場で起きる事なので、現行犯逮捕です。
早期に釈放される可能性があるにしても、一時的に身柄が拘束されるので、イラっとしたり、納得いかなかったりする事があっても警察官に対して手を出すのはやめましょう。