行政書士を目指した理由
私が行政書士を目指した理由について、少し話したいと思います。
結論から言うと、「人の役に立ち、人を助ける事ができ、かつ個人事業主として活動できる。」からです。
1 人の役に立つ
これについては、世の中のほとんどの仕事が人の役に立っているはずです。
物を売る、物を運ぶ、飲食店、ガソリンスタンド、病院、役所等、例を挙げればキリがありませんが、そのほとんどが、需要があるからこそ、供給する事業者がおり、そのサービスを利用する人が多くいるのです。
行政書士としては、許認可申請、ビザ申請、車庫証明、契約書作成、遺言書起案等、扱える業務は、他の法律により、制限されているものを除けば、1万種類を超えると言われています。
もちろんその全てを取り扱えるとは、到底思っていませんが、これほどまでに選択肢が多い仕事は行政書士の魅力の一つと言えると思います。
2 人を助ける
元々、高校を卒業して直ぐに人の役に立ちたい、人を助ける仕事に就きたいと漠然と考えた結果、手っ取り早く望みが叶うと思って、陸上自衛隊に入隊しました。
実際、2007年に発生した新潟県中越沖地震では、現地へ災害派遣で派遣され、2週間もの間、主に炊き出しで被災者の方々へおにぎりやカレーライス等の配布を 行った経験もあり、ほとんどの被災者の方から感謝され、とてもやりがいを感じた日々でした。
また警視庁在職中にも刑事として振込め詐欺、薬物や暴力団等の組織犯罪対策部門で事件捜査を担当し、裁判所への令状請求等の経験もあり、多くの事件捜査に従事することができました。
警視庁時代では、消防士のように直接的ではなく、既に被害に遭った被害者からの届出や相談から被疑者を検挙する、事件を解決する、犯人が捕まったことによって被害者が納得したり、安心したりするので直接、助けるといった感情にはならなかったことを覚えています。
ただただ事件が起きたら、忙しくて、激務だったことは鮮明に覚えています。
それでは行政書士ではどうでしょうか。
お客様が、お金と労力とを天秤にかけた際に労力をとった時に、行政書士に仕事を依頼することがほとんどです。
本来、時間と手間、労力を掛ければ自分自身で行えるにもかかわらず、行政書士に依頼するということは、余程、資金に余裕があるか、やりかたが分からなくて困っている、面倒だから代わりにやってほしいといった理由が挙げられ、圧倒的に後者2つの方が多いはずです。
1万種類を超える手続きを扱え、かつ、お客様の依頼に応え、期待される結果を届けられれば、これほどまでに人を助けることができる行政書士という仕事は最高だ という考えに至りました。
3 個人事業主として活動できる
3つの理由の中でも、この理由が一番重要でした。
自分自身の公務員としての経験を活かすことができて、何か事業を起こすとしてもパッと何も思いつかず、転職先についても警備員や運送業といった業種しか転職サイトでもヒットしませんでした。
もちろん警備員や運送業も重要な仕事であり、社会インフラを支える上ではなくてはならない仕事の一つです。
私も警視庁を退職して、一旦、独立行政法人国立文化財機構に転職して東京国立博物館の衛視(←簡単に説明すると警備員)として勤務をしましたが、あまりにも暇過ぎて性に合わず退職し、現在も勤務中の某大手運送会社に転職しました。
運送会社では、ドライバーとして働きながら営業担当として、荷主との運賃交渉、新規契約の営業、サービスの案内といったことをやってきました。
世の中でも言われているように配達業務自体は、時間に追われ、非常に忙しい日々を過ごしており、2024年問題も重なり、労働時間の削減、4時間以上の運転の際の30分休憩取得等、規制が厳しくなっており、今までより30分遅く退勤しても30分休憩分が引かれ、残業代は以前と変わらないといった状況もあります。
私はといえば、仕事自体は大変ではあるが、月に12日以上休みがあり、給料もそれなりに貰えるので、給料や福利厚生の面では不満はありません。
しかし、仕事が1人1コースの担当制なので、家族に何かあったとき、急な用事があったときに、途中で帰れない、代わりがいなければ休めないことが非常にネックであり、これについては、仕事の性質上、人員不足等の観点から近いうちには改善等は見込めません。
実際、妻が車に引かれて怪我したとき、妻が救急車で運ばれたとき、妻がコロナに罹患したとき、身内に不幸があったとき等、自分の仕事を終わらせてから帰宅したり病院に向かっていました。
私の実家が神奈川県横浜市金沢区、妻の実家が伊豆大島なので、頼れる身内が近くにいないことも自分に時間の裁量が認められる個人事業主を目指すきっかけになりました。
以外にも思えるかも知れませんが、家族に何かあったときには、自衛隊や警視庁時代の方が「あとはやっておくから帰れ。」と言ってくれました。
自由には、責任が伴います。
会社という組織に所属していると、ある程度の失敗は会社が責任をとってくれますし、失敗をしても給料が大幅に減ることはありません。
さらに健康保険料も半分負担してくれており、金銭面でも個人事業主に比べて優遇されています。
それらを考慮しても自分の裁量で仕事を進められる方が、私達家族にとっても最良の選択だという決断に至りました。
4 最後に
会社には、秋ごろを目途に退職する意思を伝えました。
まだ3ヶ月も前だから、早いと思われるかも知れませんが、「立つ鳥、跡を濁さず」という言葉にもあるように、仕事の性質上、労働時間や担当コースの兼ね合いもあることから、早めに意思を伝え、自分が抜けるコースを他の人が覚えるための引継ぎ等、現場の混乱を招かないようにするべきだと考えました。
登録・開業を終えたら、そこからが本当のスタート地点です。
自分自身で仕事をとってきて、売り上げを立てなければなりません。
どんな困難な道が待ち受けているか想像できませんが、たった一度きりの人生なので、後悔しないように挑戦していこうと思います。