完成工事原価報告書の内訳について
1・完成工事原価の内訳欄を見てみて思った事
先日、数社の完成工事原価報告書を見る機会がありました。
私自身、建設業許可財務諸表には苦手意識があるのですが、ある会社の完成工事原価報告書を見てみると
・労務費が0
・外注費にしか記載がない
・経費(うち人件費が0)
といった会社が結構あることに気付きました。
おそらく税理士先生が作成した決算書をそのまま転記しただけだと思われます。
もし行政書士に依頼した上で、このような完成工事原価報告書を作成しているのであれば、流石にマズイと思います。
2・何がマズイのか
まず労務費が0で外注費にしか記載されていない場合、工事の丸投げが疑われます。
実際には、そうでなかったとしても役所側は、書類上でしか確認できません。
あらぬ疑いを掛けられないようにするためには、各項目に適切に振り分ける必要があります。
また経費のうち人件費も0だとマズイです。
各工事現場には、元請・下請を問わず「主任技術者」又は「監理技術者」を置く必要があり、この配置技術者の人件費が、経費のうち人件費にあたります。
つまりここが0であると、配置技術者を置いていないのではないかと疑義が生じます。
3・まとめ
細かく全ての会社の完成工事原価報告書を見た訳ではありませんが、数社見ただけでも複数の会社について書類上でありますが、建設業法に違反する内容の完成工事原価報告書を提出しているようでした。
苦手意識を持っている私ですら直ぐに気付いたので、役所側は受理はしているものの間違いなく気付いているでしょう。