「被害届なら受理するが、告訴は受理しない」と言われたケースとは|行政書士が解説

警察へ相談に行った際、「被害届なら受理できますが、告訴は受理できません」と説明された経験がある方は少なくありません。

これは私が告訴状を作成させていただいたお客様が実際に警察から言われたケースもあります。

本記事では、

  • なぜこのような対応がされるのか
  • 被害届と告訴の違い
  • 告訴が受理されない主な理由
  • 行政書士がサポートできること

について、警察実務の視点を踏まえて解説します。


被害届と告訴の違い

まず前提として、被害届と告訴はまったく別の制度です。

項目被害届告訴
性質被害の申告処罰を求める意思表示
義務受理義務あり原則、受理義務あり(実務上裁量が大きい)
効果捜査の端緒刑事手続の開始要件(親告罪など)
実務比較的受理されやすい受理判断が厳格

警察が
「被害届なら受理する」
と述べる背景には、この制度上の違いがあります。


なぜ「告訴は受理しない」と言われるのか

警察が告訴を受理するかどうかは、形式面・実体面の双方から慎重に判断されます。

主に次のような理由が考えられます。


告訴が受理されにくい主なケース

① 犯罪事実が具体的でない

  • 日時・場所・行為内容が曖昧
  • 構成要件に当てはまるか不明

この場合、
「まずは被害届で様子を見ましょう」
と案内されることがあります。


② 民事トラブルに近いと判断された

  • 金銭トラブル
  • 契約・約束違反
  • 当事者間の認識の食い違い

警察実務では、
刑事より民事が相当と判断されると、
告訴の受理には慎重になります。


③ 証拠関係が不足している

  • 客観的証拠がほぼない
  • 供述のみで裏付けが乏しい

この場合も、
いきなり告訴ではなく、
被害届での受理を提案されることがあります。


④ 告訴意思が明確でない

  • 処罰意思がはっきりしない
  • 感情的な不満表明にとどまっている

告訴は「処罰を求める意思表示」であるため、
その意思が明確でない場合、受理は困難です。


⑤ 親告罪の要件が整理されていない

  • 告訴期間を徒過している
  • 告訴権者が適切でない

これらは形式不備として、受理されない代表例です。


「被害届なら受理する」と言われた場合の意味

この言葉は、決して門前払いではありません。

警察としては、

  • 事実関係の整理が不十分
  • 告訴として判断する材料が不足
  • 現段階では捜査の端緒として扱うのが相当

と考えている可能性が高い、という意味です。


被害届を出したら告訴はできないのか?

結論から言うと、
後から告訴に切り替えることは可能です。

ただし、

  • 事実関係の整理
  • 証拠の補充
  • 陳述書の作成
  • 告訴意思の明確化

といった準備を整えないまま再度申し出ても、同様の対応になる可能性が高いのが実情です。


告訴を検討する場合に重要なポイント

  • 告訴状と陳述書をセットで準備する
  • 時系列・構成要件を意識した記載
  • 感情論と事実を明確に分ける
  • 民事的主張を前面に出しすぎない

これらを整理することで、警察の受理判断に耐えうる書面となります。


行政書士による告訴状作成サポート

行政書士は、
告訴状や陳述書など、官公署に提出する書類の作成を業として行います。

行政書士が関与することで、

  • 受理判断を意識した構成
  • 不足しがちなポイントの補正
  • 実務上の表現への修正

が可能となり、「被害届なら受理する」と言われたケースでも、告訴として再検討される余地を高めることができます。

※捜査への関与や代理行為は行いません。


まとめ|「告訴は無理」と言われても諦める必要はない

  • 被害届と告訴は制度上まったく異なる
  • 告訴が受理されないのには理由がある
  • 準備不足のままでは判断は変わらない
  • 書面の完成度が結果を左右する

警察から「被害届なら受理する」と言われた場合こそ、一度立ち止まり、書面と事実関係を整理することが重要です。

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