親告罪とは何か(告訴との関係)
目次
親告罪とは
親告罪とは、被害者などの告訴がなければ、検察官が公訴を提起できない犯罪をいいます。
つまり、被害が発生していても、告訴がなければ刑事事件として処罰されないのが親告罪です。
刑事手続においては、
👉 「告訴がスタートライン」
それが親告罪の最大の特徴です。
親告罪と非親告罪の違い
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 親告罪 | 被害者等の告訴がなければ起訴できない |
| 非親告罪 | 告訴がなくても、警察・検察の判断で起訴可能 |
この違いを理解せずに「被害届だけ」を提出してしまい、結果的に何も進まないケースは少なくありません。
代表的な親告罪の例
親告罪に該当する犯罪としては、次のようなものがあります。
- 名誉毀損罪
- 侮辱罪
- 器物損壊罪
- 過失傷害罪 など
※事案の内容や法改正により扱いが異なる場合があります。
親告罪で特に注意すべき「告訴期間」
親告罪には、原則として、「犯人を知った日から6か月以内」という告訴期間の制限があります。
この期間を過ぎると、
- どれだけ被害が明確でも
- 証拠が揃っていても
👉 告訴すること自体ができなくなります。
実務上、この期限を知らずに対応が遅れ、刑事手続が完全に不可能になるケースも現実にあります。
「告訴が必要」と警察で言われた場合の意味
警察窓口で、
- 「これは親告罪ですね」
- 「告訴状を作って持ってきてください」
と言われた場合、それは被害届では足りないという明確なサインです。
この段階で、
- 告訴の意思表示が曖昧
- 処罰意思が書面上不十分
- 構成要件との整理が甘い
と、受理されない・補正を求められることになります。
親告罪の告訴状で重要なポイント
親告罪の告訴状では、特に次の点が重要です。
- 明確な処罰意思の表示
- 犯罪事実と構成要件の整理
- 告訴期間内であることの明示
- 被害状況と証拠の対応関係
単なる「被害の説明文」では、告訴として成立しません。
元警察官の行政書士が告訴状を作成する意味
親告罪は、「告訴が成立するかどうか」=「事件として進むかどうか」が直結します。
警察実務を理解した立場から、
- どこを見られるのか
- どこが不足すると止まるのか
- どう書けば受理判断に耐えるか
を踏まえた告訴状作成が重要になります。
まとめ|親告罪は「時間」と「書面」がすべて
- 親告罪は、告訴がなければ始まらない
- 告訴期間(原則6か月)を過ぎると取り返しがつかない
- 告訴状の内容次第で、受理・不受理が分かれる
「とりあえず被害届」では足りない事件が、親告罪です。
