大工工事業の建設業許可とは?要件・専任技術者・実務上の注意点をわかりやすく解説
目次
1・大工工事業とはどんな工事?
建設業許可における「大工工事業」とは、木材を加工・取付けすることで建物や構造物を造る工事、または 建物に木製の設備を設置する工事 を指します。
住宅建築やリフォームの現場では、「どこまでが大工工事なのか分からない」という相談も多いですが、代表的な工事内容は次のとおりです。
(1)大工工事業に該当する主な工事例
- 大工工事
- 型枠工事
- 造作工事
※実際の工事内容によっては、他業種との兼ね合いで判断が必要になるケースもあります。
(2)大工工事業で建設業許可が必要になるケース
大工工事業を営む場合でも、すべての工事で許可が必要というわけではありません。
しかし、次のいずれかに該当する場合は、原則として建設業許可が必要になります。
- 請負金額が一定額を超える工事を受注する場合
- 元請として継続的に工事を請け負う場合
- 元請・下請問わず、信用面を重視される取引を行う場合
「今は不要でも、今後を考えて許可を取りたい」という方も非常に多い分野です。
2・大工工事業の建設業許可に必要な6つの要件
大工工事業に限らず、建設業許可では次の6つの要件をすべて満たす必要 があります。
要件① 経営業務の管理体制が整っていること
建設業では、経営経験のある人が会社の中核にいるかが重視されます。
代表者や役員などの「常勤役員等」のうち、建設業に関する一定期間の経営経験を有する人がいるか、または、経営を補佐する体制が整っていることが必要です。
実務では、次のようなパターンでクリアするケースが多く見られます。
- 建設業で5年以上の経営経験がある
- 役員として建設業の経営に携わっていた
- 経管経験者+財務・労務・業務運営を補佐する人材がいる
※「どの経歴が使えるか」は個別判断になるため、 事前確認が非常に重要なポイントです。
要件② 専任技術者が営業所に常勤していること
大工工事業の許可を取るためには、営業所ごとに専任技術者を配置する必要があります。
専任技術者として認められる主な資格・経験
- 一級・二級建築施工管理技士(建築・躯体・仕上げ)
- 建築士(一級・二級・木造)
- 建築大工・型枠施工の技能士
- 大工工事に関する実務経験10年以上 など
学歴によっては、実務経験年数が短縮されるケースもあります。
指定学科を卒業している場合の実務経験短縮
建築系・都市工学系などの指定学科を卒業している場合、
- 大学・短大・高専卒:実務経験3年
- 高校・専修学校卒:実務経験5年
で専任技術者として認められる可能性があります。
学科名が完全一致しない場合でも、履修内容次第で指定学科と認められるケースもあります。
要件③ 財産的基礎があること
建設業は、材料費・人件費などの先行投資が必要な業種です。
そのため、一定の財務基盤が求められます。
一般建設業の場合
- 自己資本が500万円以上
- または、500万円以上の預金残高があること
特定建設業の場合
- 資本金・自己資本の額
- 欠損の状況
- 流動比率
など、より厳格な要件が課されます。
要件④ 誠実性があること
建設業許可では、契約に関して不正・不誠実な行為を行うおそれがないことも重要な要件です。
- 詐欺・脅迫・横領などの違法行為
- 請負契約を守らない行為
過去の処分歴によっては、一定期間、許可が取れないケースもあります。
要件⑤ 欠格要件に該当しないこと
建設業法では、一定の事情がある場合、許可を受けられません。
例えば、
- 過去に許可取消しを受けてから5年以内
- 一定の刑罰を受けてから5年以内
- 暴力団関係者に該当する場合
などが代表例です。
法人の場合は、役員や使用人もチェック対象になります。
要件⑥ 社会保険に適正に加入していること
現在は、健康保険・厚生年金・雇用保険について、加入義務がある事業者はすべて加入していることが許可要件となっています。
「一人親方だから不要」と思い込んでいるケースも多く、ここで止まる申請は少なくありません。
3・大工工事業の許可申請は「事前確認」が重要
大工工事業の建設業許可では、
- 経歴の整理
- 実務経験の証明方法
- 資格の使い分け
など、書類の組み立て方で結果が変わる場面が多くあります。
特に、
- 経管と専技の兼任可否
- 実務経験証明の内容
- 学科の該当性
は、自己判断で進めるとリスクが高い部分です。
4・まとめ|大工工事業の建設業許可で失敗しないために
- 大工工事業は建設業許可の中でも相談が多い業種
- 要件は6つすべてを満たす必要がある
- 専任技術者・経管の判断は特に慎重に
- 事前相談・事前確認が成功のカギ
建設業許可は、**取れるかどうかの判断より「どう取るか」**が重要です。
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