詐欺での告訴は受理されにくいのか?

目次
1・詐欺は立証が難しい
詐欺罪は成立要件がかなり厳密です。
以下の要件を満たす必要があります。
(1)欺罔行為:嘘をつくなどの「だます行為」があること
- 被害者を欺くための行為があること
- 嘘を言う、偽の書類を見せる、事実を隠すなど
- 単なる誤解や単純な失敗は含まれない
(2)錯誤の発生:被害者がその嘘を信じて誤った判断をすること
- 被害者が欺罔行為によって誤った判断をすること
- 財物や財産上の処分をする動機となること
- 被害者が自ら進んで行った場合は、錯誤がなかったと判断されることもある
(3)財産的処分行為:(被害者側の行為)
- 被害者が財物(お金や物品)や財産上の利益を交付すること
- お金をだまされて振り込む
- 商品や物品をだまされて渡す
- 加害者が強奪した場合は窃盗や強盗であって、詐欺にはならない
(4)財産上不法の利益(加害者側の利益)
- 他人の金銭をだまし取る
- 他人の物品をだまし取って販売利益を得る
- 「利益」の形態は金銭だけでなく、サービスや権利でも可
※故意:騙す意図があること
AIを使用し、詐欺罪の成立要件を調べるとこの故意というのが、欺罔行為と併せて表示されてきますが、私が刑事時代で特殊詐欺事件の捜査本部で勤務した経験から欺罔行為の部分に故意が含まれていると思いますので、わざわざ欺罔行為と故意の両方を説明する必要はないと考えます。
2・証拠集めが困難
警察が詐欺罪での告訴・告発を受理するには、相当程度の証拠資料が必要です。
- 銀行振込の記録・取引履歴
- 契約書等の書面
- メールやLINE等のやり取り
- 証人の証言
等ですが、これらが不十分だと、被害者の証言だけでは立件が難しいため、受理されにくくなります。
特に構成要件の欺罔行為の部分の立証がポイントです。
よくあるのが
- 「始めはお金を支払うつもりでした。」
- 「騙すつもりはありませんでした。」
等々、言葉ではいくらでも逃げられてしまいますので、いかに言葉以外の証拠資料を収集していくのかが重要になります。
3・被害金額や社会的影響が考慮される
警察は軽微な金銭トラブルと見なすと、刑事事件としての優先度が低くなることがあります。
- 数万円程度の詐欺は民事で解決した方が早いと判断される
- 警察署によっては、「民事紛争」と判断され受理しないこともある
- 告訴ではなく被害届の提出を促し、初動捜査として関係機関に照会をかけた上で終結する
等がありえます。
例えば、
100億円の投資詐欺被害に遭いました
と
5万円の商品を購入したけど連絡が取れなくなりました
との告訴相談があった場合には、警察側も相談に向き合う姿勢も自然と変わってきます。
4・まとめ
詐欺罪の告訴・被害届が受理されにくい理由は、法的に受理できないのではなく、
- 立証が難しい
- 証拠不十分
- 被害規模が小さい
等といった現実的かつ実務上の要因が大半を占めると思います。

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