死後事務委任契約とは?

死後事務委任契約(しごじむいにんけいやく)とは、本人が亡くなった後の各種手続きや事務処理を、信頼できる人(第三者や専門職など)にあらかじめ契約で委任しておく仕組みです。


🔷 死後事務委任契約の概要

■ 目的

  • 死後に発生する煩雑な手続きを遺族や知人に代わって第三者に任せるための契約をいいます。

■ 契約の形態

  • 本人(委任者)と受任者との間で結ぶ契約書です。
  • 通常は公正証書で作成するのが望ましいです。

✅ 主な死後事務の内容(例)

種類具体的な内容
葬儀・埋葬火葬・納骨・お墓の手配・菩提寺への連絡など
役所手続き死亡届の提出、健康保険・年金の抹消手続き
病院・施設関係医療費精算、入院・入所施設の退去手続き
賃貸物件部屋の明け渡し、家財の整理・処分
契約解除電気・ガス・水道・携帯電話等の解約
行政対応行政への申請や通知(生活保護、住民票など)
財産整理預貯金の引出し(※これは遺言や遺産分割の対象)ではなく、事務的な清算
ペットの世話ペットの引き取り先の確保・引渡し

※財産の処分・分配は相続人の権限であり、死後事務委任契約では扱えません。


📝 契約書に含める主な内容

  • 契約の目的(死後の事務を委任すること)
  • 委任する業務の具体的内容
  • 委任者・受任者の氏名・住所
  • 費用の支払い方法(報酬・実費など)
  • 第三者との連携(弁護士・行政書士など)

👤 誰に依頼できるか?

タイプメリット・補足
信頼できる個人親族・知人など。トラブル防止には明確な契約が必要。
専門職(行政書士・弁護士など)法的に適正な契約内容を作成できる。職業倫理もあり安心。
NPO法人や士業団体高齢者支援などを行っている団体も対応可。費用は要確認。

💡 こんな方におすすめ(ここが重要なポイントですね‼)

  • 身寄りがない・頼れる親族がいない
  • 遺された家族に迷惑をかけたくない
  • 遺言書ではカバーできない実務面の手配も必要
  • ペットや家の後始末など気がかりがある

といったお悩みを抱えている方であれば、是非、検討してみてもいいかと思います。


🛠 関連する制度との違い

制度内容主な違い
遺言書財産の分け方などを指示財産面が中心/死後事務には使えない
任意後見契約判断能力があるうちに後見人を指定生前の支援が対象/死後は効力なし
死後事務委任契約死後の事務処理を任せる死後に限定/財産の処分は不可

🔖 死後事務委任契約書(サンプル)


死後事務委任契約書

委任者 〇〇〇〇(以下「甲」という)と、受任者 △△△△(以下「乙」という)は、甲の死亡後に必要な事務手続き等について、以下のとおり契約(以下「本契約」という)を締結する。


第1条(目的)

本契約は、甲の死亡後に必要となる各種事務手続きを、乙に委任することを目的とする。


第2条(委任する死後事務の範囲)

甲は、乙に対し、以下の死後事務を委任する。

  1. 死亡届の提出および火葬許可証の取得
  2. 葬儀、火葬、納骨の手配および執行
  3. 医療機関、介護施設等に関する退去手続きおよび費用の清算
  4. 公的機関(市区町村・年金事務所等)への届出および手続き
  5. 賃貸住宅の解約、家財道具の整理・処分
  6. 各種契約(電気・ガス・水道・携帯等)の解約手続き
  7. ペットの引き渡しまたは譲渡
  8. その他、甲の死亡後に通常必要とされる事務

第3条(報酬および費用の精算)

  1. 乙に支払う報酬は、〇〇円とする。
  2. 上記以外に要する実費(交通費、手続費用等)は、甲の財産から支払うものとする。
  3. 乙は、甲の死亡後に必要な費用について、甲の預金口座または信託契約に基づき支払いを受けることができる。

第4条(契約の終了)

本契約は、以下の事由により終了する。

  1. 委任事務がすべて完了したとき
  2. 乙が死亡または委任の遂行が困難となったとき

第5条(その他)

  1. 本契約に定めのない事項については、民法その他の法令に従って処理する。
  2. 本契約に関して生じた紛争については、〇〇地方裁判所を管轄裁判所とする。

以上、本契約締結の証として、本書2通を作成し、甲乙各自が署名・押印のうえ、それぞれ1通を保有する。


令和〇年〇月〇日
甲(委任者)住所:〇〇〇〇
氏名:〇〇〇〇  印

乙(受任者)住所:△△△△
氏名:△△△△  印


📌 補足事項

  • 通常は公正証書で作成されるのが望ましいです。
  • 実務的には、遺言書・エンディングノート・信託契約と併用されることが多いです。
  • 財産の管理や分配は本契約の対象外です(それは遺言書で行います)。

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