全国初!道路交通法違反による営業停止処分の決定
つい先日、このような内容のニュースを目にしました。
行政書士の受験勉強中には、何度も問題集で
営業停止処分
という言葉を目にしました。
営業停止処分とは不利益処分です。
そして不利益処分とは、
行政庁は、法令に基づき、特定の者に対し、直接義務を課し、又は権利を制限する処分
のことをいいます。
今回のケースで言えば、営業停止処分にいたる前段階で警視庁が数十回を超える指導・警告、いわゆる行政指導を行ってきたにも関わらず、改善がみられなかったようです。
なぜ、このニュースを記事にしようと思ったかといいますと、私が警察官時代、まさに港区新橋において居酒屋に対して、路上にテーブルや椅子を置いて営業し、交通の妨害になっている店舗に対して、指導・警告をした経験があるからです。

※写真の店舗は行政処分を受けた店舗とは関係ありません。
もう10年以上前になりますが、港区新橋駅前交番に勤務していたことがありました。
サラリーマンの街と呼ばれるくらいなので、夕方から深夜にかけて新橋駅周辺にある居酒屋はどこも賑わっており、次のような内容の110番通報が入るのです。
・タクシーの2重駐車の苦情
・酔っ払い同士の喧嘩
・中国人の客引きの苦情
・居酒屋の路上営業の苦情
です。
このような内容の110番通報は、土日を除いて毎日入電していたことを思い出します。
何故、土日を除くかというと新橋周辺においては、サラリーマンの街といわれるだけあって居住している人よりも働いている人の方が圧倒的に多く、繁華街を抱える新宿警察・渋谷警察・池袋警察のような地域と違って土日になると事件も少なく平和でした。
話を戻しますと、路上営業の110番通報が入電すると警察官は現場に臨場し、当該店舗に注意をします。
注意をすると一時的に撤去はしてくれますが、しばらくしてから同じ店の前を通ると再度、路上にテーブルや椅子を出して営業を行っているのです。
分かりやすい言葉で説明するとイタチごっこというものです。
今回、全国初ということですが、10年以上も前から路上にテーブルや椅子を並べて営業している居酒屋は沢山存在していたことは、新橋で飲んだことがある人は誰もが知っているはずです。
既に営業停止処分のような不利益処分はなされているものだと思っていたので驚くとともに、今回、不利益処分がなされた居酒屋は余程、悪質だったのだと理解しました。
では、居酒屋側からの視点でどうすれば営業停止処分を逃れられたのか?

簡単なものを3つ挙げたいと思います。
①警察からの指導・警告に素直に従う
②道路使用許可を取得する
③そもそも路上で営業しない
誰もが分かりやすいように3つ対策を挙げさせて頂きました。
この3つの中で一番簡単なことは誰もが見て分かるように
③そもそも路上で営業しない
です。
しかし新橋周辺では、多くのお店が路上にテーブルや椅子を出して営業しているので
「私たちも出して大丈夫。」
という大衆心理に陥りやすい環境といえます。
次に、私自身が元警察官の行政書士なので
①警察からの指導・警告に素直に従う
は、徹底した方が良いと考えます。
あえて警察を敵に回してもいいことはありませんし、そもそも許可を得ずに路上で営業をすること自体が違法な行為であるので素直に従いましょう。
警察官は、110番通報等で何かしらの端緒があって動くことがほとんどです。
路上にテーブルや椅子を出して営業をしていても誰も通らないような場所、さらに交通の妨害にもなっておらず、苦情も何も1件も入っていなし状態であれば、そもそも警察は指導や警告をしにくることもないでしょう。
警察側がわざわざ指導や警告にくるということは
誰かが邪魔だ。
と感じている証拠なのです。
最後に行政書士として業務に関わる部分が
②道路使用許可を取得する
です。
正規な手続きを経て、営業をしていれば何も問題がありません。
しかし道路使用許可が認められるには許可基準のいずれかに該当する必要があります。
その許可基準とは下記の3つになります。
1・現に交通の妨害となるおそれがないと認められるとき
2・許可に付された条件に従って行われることにより交通の妨害となるおそれがなくなると認められるとき
3・現に交通の妨害となるおそれはあるが公益上又は社会の慣習上やむを得ないものであると認められるとき
ですが、はたして居酒屋等のお店が狭い道路上にテーブルや椅子を出して営業するための道路使用許可が認められるかというと難しいと感じます。
新橋に限っていえば、居酒屋等が立ち並ぶ道路は狭い所が多く、許可基準の1と2の要件をクリアするのは難しいでしょう。
3の要件についても公益上又は社会慣習上やむを得ないものであるとはいえません。
かつ道路使用許可を取得するにも申請料金がかかってきますので、現実的に考えても道路使用許可を取得してまで路上にテーブルや椅子を出して営業をしようとする店舗は少ないと思います。
道路上に十分な幅があり、交通の妨害となるおそれがないと認められる場合については、道路使用許可を取得して営業するといった選択肢もありえますが、道路幅が狭く、今までにも警察から行政指導を受けている場合については、素直に店舗敷地内に収まるように営業をしましょう。
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