警察時代の話【3】
1・遺言書は最後の意思表示です。(人はいつ最期を迎えるか分かりません。)
私は、元々、警察官として勤務していました。
警察官人生は約9年間であり、その半分以上を刑事組織犯罪対策部門で勤務してきた経験があります。
特に警視庁では、6部制という体制であり、これは6日に1回宿直勤務があるというものです。
この宿直勤務では、朝出勤してから翌日の朝までの勤務となりますが、この時間内に発生した刑事事件を始め、変死事案、事件に発展しそうな相談事案を含めて多種多様な事案に対応しなければなりませんでした。
もちろん一人で全て対応するのではなく、同じ宿直班の刑事組織犯罪対策課員で協力して対応します。
新宿警察署、池袋警察署等の大規模警察署であれば、刑事課と組織犯罪対策課が分かれており、刑事事件や変死事案は刑事課、薬物や外国人、暴力団が絡む事件は組織犯罪対策課が扱うといった具合でしたが、私が勤務してきた警察署は規模が大きくないので、刑事組織犯罪課として宿直対応することになっていました。
特に宿直勤務では、毎日のように変死事案を対応してきました。
多くの人が知らないと思いますが、原則、病院で亡くなるケースを除き変死扱いとなり、事件性の有無を確認するため、警察署において検視が行われます。
過去に取扱ってきた変死事案の多くが自宅での孤独死でした。
特に夏場は、部屋の外まで異臭が漏れ出し、近隣住民からの通報で発見されることが多いのです。
宿直の刑事課員は、変死の現場に行き事件性の有無を確認するために部屋をくまなく捜索します。

行政書士となって、過去の変死事案の現場を振り返ってみると、「遺書」なるものは何度か発見したことがありますが、「遺言書」となるものは発見したことがありませんでした。
遺書というのは、いわゆる自殺を考えている人が書き残すケースが多いので自殺現場ではよく見られます。
遺書とは違い、遺言書があまり残されていない背景として
・現時点で自分が死んでしまうなんて思っていない
・身寄りがいなから遺言書を残す必要がない
・資産がないから遺言書を残しても意味がない
等といった理由が挙げられます。
誰しもが人生最後のことを考えるのは嫌だと思いますし、考える余裕もないはずです。
次の項では、刑事時代に遭遇した悲しい事案をいくつか紹介します。
2・警察時代に取扱った事故死事案の一例
(1)電線工事作業員による感電死
宿直勤務中に110番通報が入り現場に臨場したところ、電線工事の作業員が感電してしまい高所から転落し死亡した事例。
対面した御遺体を見ると余程の高圧電線に触れてしまったのか、焦げてしまっていました。
その作業員の方には妻も子供もいました。
(2)ホテル大浴場でのヒートショック事案
宿直勤務中に110番通報が入り現場に臨場したところ、ホテルの大浴場でうつ伏せで倒れこんでおり既に意識はありませんでした。
記憶に新しいのが、歌手の中山美穂さんの死因がヒートショックによるものだと言われています。
この男性もまだ若く、50代の男性でした。
(3)階段から転落して死亡
宿直勤務中に110番通報が入り現場に臨場したところ、階段から転落して全身を強打し、さらに全身血まみれで死亡している男性を発見しました。
階段から転落しただけでは想像がつかない出血量であったことから当初は事件性が疑われてはいましたが、捜査の結果、事件性がないと判断され、階段からの転落死として処理されました。
この方も比較的、若い男性でした。
3事例程、紹介させていただきましたが、何が言いたいかというと、人生の最期はいつ訪れるか分からないということです。
3・まとめ
刑事時代には、数多くの変死事案の現場に臨場した経験があります。
前の項でも少し事例を紹介しましたが、誰しもが事故や事件等で急に亡くなってしまう可能性は0ではありません。
何よりも残された家族が一番悲しむことになります。
元刑事として、多くの御遺体やその家族と対面してきたからこそ、皆さんに伝えられることがあります。
大切な家族の為にも遺言書は残しておいた方がよいでしょう。
遺言書があれば、原則遺言書のとおりに遺産は相続されます。
しかし、ただ書けばいいというものではなく、作成には決まったルールがあります。
行政書士等の専門家に依頼すれば、作成方法や原案起案を含めてサポートすることができますので、是非、行政書士を活用してみて下さい。
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