告訴状における犯罪日時について

1・犯罪事実

行政書士は、警察署に対する告訴状の作成については、業務として行うことが出来るとされています。

警察に限らず、捜査機関については、犯罪事実を基に捜査を進めていきます。

ここでいう犯罪事実とは、簡単にいうと

被告訴人は、~以下のように続きます。

いつ、どこで、何を、なぜ、どのうようにし、どうなった。

といった具合に、基本的に5W1Hに沿った形で犯罪事実が決まってきます。

詳しい犯罪事実の記載要領に関しては割愛します。

今回は、犯罪事実の中のいつの部分に焦点を当てていきたいと思います。

2・日時の特定はどうやってするの?

暴行や傷害等を含めた犯罪による被害については、いつ被害に遭うか予測することはできません。

現行犯逮捕を含め、警察が当初から扱う場合には、被害者が殴られる瞬間に時計を見ていた等の極端な例を除き、被害者の申告を参考に、当日の行動、携帯電話等の通信履歴、犯行現場周辺の防犯カメラ画像等から計算して日時を特定していきます。

しかし、告訴状については、犯罪が発生してから日を空けて提出されるケースが多いことから、犯罪日時が非常に重要になってきます。

犯罪から時間が経てば経つほど証拠は少なくなっていきます。

特に現代社会では、防犯カメラ画像のデータが決め手になることも多々ありますが、時間が経てばデータが上書きされてしまうこともあります。

そして告訴状提出時に申し立てた被害日時を、覚えていないからといって適当に記載してしまうとどうなるか?

・防犯カメラデータを解析したとしても犯行現場が映っていない

・防犯カメラ自体にも誤差があるので、さらに捜査が難航する

・そもそも本当に被害に遭ったのかと疑念が生じる(いくら捜査しても犯行状況が見えてこないため)

等の弊害が生じてしまいます。

防犯カメラ自体の誤差について、正確な時刻に補正する方法はありますが、ここでは割愛します。

詐欺事件等のように口座を介して行うような事件の際には、取引記録や携帯電話の履歴等から日時の特定は容易ではありますが、暴行、傷害、殺人、放火、強盗のような粗暴犯、凶悪犯の場合には、正確な時間を特定するのが犯人検挙への最速の道であります。

3・まとめ

告訴状に限らず、被害届についても日時については重要です。

被害に遭ってから数ヶ月も経ってから被害の申告にきても、その怪我は本当にその犯罪によってできたものなのか(傷害の場合)等の因果関係が問題となります。

何よりも告訴状というのは、犯人の処罰を望むものであることから精度の高い告訴状を作成しましょう。

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