工事の一括下請負(丸投げ)の禁止
1・建設業法第22条第1項
建設業者は、その請け負った建設工事を、いかなる方法をもってするかを問わず、一括して他人に請け負わせてはならない。
と定められており、工事の丸投げを原則禁止しております。
出典:e-Govポータル(https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000100)
2・丸投げの禁止の理由
発注者は建設業者を信頼して工事を依頼します。
しかし、依頼した工事の全てを別の建設業者に全部丸投げされてみて下さい。
せっかく信頼して依頼したにも関わらず、自身は何もしないというのは、発注者の信頼を裏切る行為となります。
発注者を保護するという建設業法の目的に鑑みて、極めて悪質である行為であり、そのような行為を行った建設業者に対しては、営業停止処分が科されてしまいます。
3・注意する例
役所は申請書類の提出を受けて審査しますが、その申請書類の中で完成工事原価報告書という書類があります。
完成工事にかかる原価の内訳を記載していく書類になりますが、外注費の項目にだけ記載があるとすると実際にはそうでなくとも役所は書類を見て判断するので変に建設業法違反を疑われてしまうことになります。
4・まとめ
建設業許可申請等の申請書類を作成していく中で、税理士の先生が作成した決算書をもとに転記していくことになると思いますが、ただ転記するのではなく項目によっては注意を要する箇所もあります。
完成工事原価報告書でいえば、「外注費にしか金額が記載されていない、うち人件費欄が0」等といった場合は、工事を丸投げしていないか、主任技術者、配置技術者を配置していないのか等の建設業法違反を疑われてしまいます。
普段から顧問の税理士先生に建設業法に対応している決算書の作成をお願いしてみてください。
そうすれば毎年の提出が義務づけられている決算変更届の作成も比較的に楽に進めることができるはずです。